BELSは自分で申請できる?申請方法と代行依頼の判断ポイントを解説
- soccer31415mt926
- 2025年12月11日
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BELS評価書の取得を検討する際、「自分で申請できるのか」「代行を依頼すべきか」と迷う方も多いでしょう。BELSは事業主自身が申請することも可能ですが、省エネ計算や書類整備が複雑なため、多くは専門業者に代行を依頼しています。
本記事では、BELS申請の流れや必要書類、自分で申請する場合と代行依頼する場合のメリット・デメリットについて解説します。
BELS申請の基本的な流れ

BELS評価書を取得するには、登録住宅性能評価機関などの評価機関に申請し、審査を経て評価書の交付を受ける必要があります。まずは、申請から評価書交付までの全体的な流れを理解しましょう。
申請から評価書交付までのステップ
BELS申請は、まず評価機関の選定から始まります。全国に複数の登録評価機関があり、地域や物件の種類によって対応可能な機関が異なります。評価機関のウェブサイトで対応地域や料金を確認し、申請先を決定します。
次に、必要書類を準備します。設計図書(配置図、平面図、立面図、矩計図など)、省エネ計算書、設備仕様書などを揃え、申請書とともに評価機関に提出します。提出方法は、郵送、窓口持参、電子申請など、評価機関によって異なります。
評価機関は提出された書類をもとに審査を行い、省エネ性能を評価します。審査期間は通常2〜4週間程度ですが、書類の不備がある場合は追加提出を求められ、期間が延びることがあります。審査が完了すると、BEI値と星の数が記載された評価書が交付されます。
申請可能なタイミング
BELSは、設計段階、工事中、完成後のいずれのタイミングでも申請可能です。設計段階での申請は、補助金申請の要件確認や、販売促進のための性能アピールに活用できます。
完成後の申請は、既存住宅や竣工済みの建物に対して行います。実際に建築された建物の性能を評価するため、設計図書に加えて、竣工図や設備の設置状況を示す資料が必要になります。中古住宅の売買時や、リフォーム後の性能証明に活用されます。
申請のタイミングは、BELS評価書の使用目的によって選択します。補助金申請に必要な場合は設計段階、住宅ローン控除の証明に使う場合は完成後といった具合に、目的に応じた最適なタイミングがあります。
自分で申請する場合の手順と必要書類

BELS申請は、建築主や設計者が自ら行うことも可能です。ただし、省エネ計算や書類の整備には専門知識が必要なため、事前に手順と必要書類をしっかり把握しておくことが重要です。
必要な申請書類一覧
BELS申請に必要な書類を以下の表にまとめました。
書類の種類 | 内容 |
BELS評価申請書 | 各評価機関の指定様式。建物の概要や申請者情報を記載 |
設計図書 | 配置図、各階平面図、立面図、断面図(矩計図)、仕様書。断熱仕様、開口部仕様、設備機器情報を明記 |
省エネ計算書 | 外皮性能計算書(UA値、ηAC値など)と一次エネルギー消費量計算書。BEI値を算出 |
建築設備概要書 | 空調、換気、給湯、照明などの設備仕様 |
付近見取図 | 建物の所在地を示す地図 |
竣工図・現況写真 | 既存住宅の場合に必要 |
評価機関によって必要書類が若干異なるため、申請前に確認が必要です。
省エネ計算の実施方法
省エネ計算は、BELS申請の中で最も専門的で時間のかかる作業です。計算には、国土交通省が提供する無料の「エネルギー消費性能計算プログラム」を使用します。住宅の場合は住宅版、非住宅の場合は非住宅版を使います。
まず、外皮性能を計算します。外壁、屋根、床、窓などの断熱仕様を入力し、UA値(外皮平均熱貫流率)やηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)を算出します。
次に、一次エネルギー消費量を計算します。暖冷房、換気、給湯、照明などの各設備について、使用するエネルギー量を算出します。設備機器の効率やスペック、建物の使用条件などを入力し、年間の一次エネルギー消費量を求めます。
最後に、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割って、BEI値を算出します。この値が0.8以下であればZEH水準(星3つ)といった具合に、星の数が決まります。計算には専門知識が必要で、初めて行う場合は数日から1週間程度かかることもあります。
BELS評価機関への提出
省エネ計算と書類の準備が完了したら、評価機関に申請書類を提出します。提出前に、書類の不備がないかを入念にチェックすることが重要です。図面の縮尺や記載事項、省エネ計算書の数値に誤りがあると、審査が長引いたり、再提出を求められたりします。
提出方法は、評価機関によって異なります。郵送、窓口持参、電子申請などがあり、電子申請は郵送の手間が省け、審査状況もオンラインで確認できるため便利です。
申請後は、評価機関から質問や追加資料の依頼があった場合に迅速に対応することで、審査期間を短縮できます。審査が完了すると、評価書とプレートが交付されます。
自分で申請するメリットとデメリット

BELS申請を自分で行うか、専門業者に代行を依頼するかは、費用と手間のバランスを考えて判断する必要があります。
自己申請のメリット
自分で申請する最大のメリットは、費用を抑えられることです。代行業者に依頼すると5万円〜20万円程度の費用がかかりますが、自分で申請すれば評価機関への手数料(3万円〜10万円程度)のみで済みます。
また、自分で省エネ計算や申請を行うことで、建物の省エネ性能について深く理解できます。どの部分が省エネ性能に影響するのか、どう改善すれば星の数を増やせるのかといった知識が身につき、今後の設計や計画に活かせます。
さらに、書類の準備から提出まで自分で管理できるため、スケジュールを柔軟にコントロールできます。設計事務所や工務店の方であれば、一度経験を積むことで、以降の案件でスムーズに申請できるようになります。
自己申請のデメリットと注意点
自己申請の最大のデメリットは、専門知識と時間が必要なことです。省エネ計算は建築物省エネ法の理解が必要で、計算プログラムの操作にも習熟が求められます。
初めての申請では、計算方法や入力項目の理解に時間がかかり、数日から1週間以上かかることも珍しくありません。
また、書類の不備や計算ミスがあると、評価機関から指摘を受けて再提出が必要になります。これにより、評価書の交付が遅れ、補助金申請や住宅引き渡しのスケジュールに影響が出る可能性があります。
非住宅や大規模物件の場合、計算が複雑になり、自己申請の難易度が大幅に上がります。空調や換気、照明などの設備が多岐にわたり、計算プログラムへの入力項目も膨大です。こうしたケースでは、専門業者に代行を依頼する方が確実です。
省エネ適合性判定書類の活用
BELS申請の手間を大幅に軽減できる方法として、省エネ適合性判定(省エネ適判)の書類を活用する方法があります。省エネ適判は、一定規模以上の建築物で建築確認申請時に義務付けられている手続きで、省エネ基準への適合を審査するものです。
省エネ適判では、BELS申請と同様の省エネ計算書が作成されます。この計算書をBELS申請に流用することで、改めて省エネ計算を行う必要がなくなり、申請作業が大幅に簡略化されます。
適判機関から交付された適合判定通知書と計算書をBELS評価機関に提出すれば、審査もスムーズに進みます。
省エネ適判の対象となるのは、原則として延べ面積300㎡以上の非住宅建築物です。適判を受けた建物であれば、その書類を活用してBELS申請を行うことで、費用と時間を節約できます。
代行依頼を検討すべきケース

BELS申請を自分で行うことは可能ですが、物件の規模や複雑さ、時間的制約によっては、専門業者への代行依頼を検討する方が現実的です。
代行依頼のメリット
代行業者に依頼する最大のメリットは、専門知識と経験に基づいた確実な申請ができることです。省エネ計算のプロフェッショナルが対応するため、計算ミスや書類の不備が生じにくく、スムーズに評価書が交付されます。
特に、非住宅建築物や複雑な設備を持つ建物の場合、省エネ計算の難易度が高く、自己申請では対応しきれないことがあります。代行業者は多様な物件の申請経験があるため、複雑なケースでも適切に対応できます。
時間的制約がある場合も、代行依頼が有効です。補助金申請の締め切りや住宅引き渡しのスケジュールが迫っている場合、代行業者であれば、迅速に書類を整え、短期間で評価書を取得することが可能です。
代行費用の相場
BELS申請の代行費用は、建物の種類や規模によって異なります。
建物の種類 | 代行費用 | 評価手数料 | 総額目安 |
戸建住宅 | 5万円〜15万円 | 3万円〜10万円 | 8万円〜25万円 |
共同住宅(小規模) | 10万円〜20万円 | 5万円〜15万円 | 15万円〜35万円 |
非住宅(小規模) | 10万円〜20万円 | 5万円〜15万円 | 15万円〜35万円 |
非住宅(大規模) | 30万円〜 | 10万円〜 | 40万円〜 |
代行費用には、省エネ計算、申請書類の作成、評価機関への申請手続き、審査対応などが含まれます。省エネ適判の書類がある場合に割引が適用されることもあるため、見積もり時に確認しましょう。
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較することをおすすめします。安さだけでなく、実績や対応の丁寧さ、納期なども考慮して選定することが重要です。
まとめ
BELSは自分で申請することも可能ですが、省エネ計算や書類整備に専門知識と時間が必要です。
戸建住宅で省エネ適判の書類がある場合や、設計者が省エネ計算に精通している場合は自己申請も現実的ですが、非住宅や大規模物件では複雑度が高く、代行依頼が一般的です。代行費用は戸建住宅で5万円〜15万円程度で、費用と手間を比較して判断しましょう。
省エネ適判の書類があれば申請を簡略化できるため、事前に確認することをおすすめします。自社の状況に合った方法を選択して、確実にBELS評価書を取得しましょう。

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