top of page

BELS評価書は住宅ローン控除に使えない?必要な証明書と取得方法を解説

  • soccer31415mt926
  • 2025年12月11日
  • 読了時間: 8分

2024年から住宅ローン控除を受けるには省エネ基準適合が必須となりました。BELS評価書を取得すれば住宅ローン控除が受けられると思われがちですが、実際には「住宅省エネルギー性能証明書」という別の書類が必要です。


本記事では、BELS評価書と住宅ローン控除の関係、必要な証明書の種類、取得方法について詳しく解説します。


住宅ローン控除の省エネ性能要件とは

住宅ローン控除の省エネ性能要件とは

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅購入時の税負担を軽減する重要な制度です。2024年以降、新築住宅については省エネ基準への適合が控除を受けるための必須要件となり、省エネ性能のレベルによって控除額に差が設けられています。


2024年以降の住宅ローン控除の変更点


2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、住宅ローン控除を受けるためには「省エネ基準適合住宅」以上の性能が必須です 。 これは、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、住宅の省エネ化を強力に推進するための措置です。


これまでは省エネ基準を満たさない「その他の住宅」でも一定の控除が受けられましたが、これからの新築住宅(※2023年末までに建築確認を受けたものを除く)では、省エネ性能の証明がない場合、控除額がゼロになってしまうため十分な注意が必要です 。


また、この制度改正では、省エネ性能が高い住宅ほど借入限度額が高く設定されています。さらに、子育て世帯・若者夫婦世帯に対しては、借入限度額が大幅に優遇される点が最大の特徴です。


【優遇の対象となる世帯】

  • 子育て世帯:19歳未満の子を有する世帯

  • 若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが40歳未満の世帯


これらの世帯が省エネ性能の高い住宅を取得する場合、一般世帯よりも高い限度額が適用され、より大きな減税メリットを享受できます。


省エネ性能別の借入限度額


住宅ローン控除の借入限度額は、住宅の省エネ性能と世帯属性によって以下のように段階的に設定されています 。ご自身の住宅がどの区分に該当するかを確認し、適切な証明書を準備することが大切です。


借入限度額(2024年・2025年入居)


住宅の性能

一般世帯

子育て世帯・若者夫婦世帯

長期優良住宅・低炭素住宅

4,500万円

5,000万円

ZEH水準省エネ住宅

3,500万円

4,500万円

省エネ基準適合住宅

3,000万円

4,000万円


このように、例えばZEH水準の住宅を建てる子育て世帯の場合、証明書があるだけで4,500万円までのローン残高が控除の対象です。逆に証明書がないと「その他の住宅」扱いとなり、控除が受けられなくなるリスクがあります。



BELS評価書は住宅ローン控除に直接使えない理由

BELS評価書は住宅ローン控除に直接使えない理由

BELS評価書は住宅の省エネ性能を証明する公的な書類ですが、住宅ローン控除の確定申告には直接使用できません。これは、BELS評価書と住宅ローン控除で求められる証明内容に違いがあるためです。


BELS評価書と住宅省エネルギー性能証明書の違い


BELS評価書は、建築物省エネ法に基づく表示制度であり、主に設計段階の図面や仕様書をもとに、その建物がどのくらいの省エネ性能になる予定かを評価・表示するものです。


一方、住宅ローン控除で必要となる「住宅省エネルギー性能証明書」は、税制優遇を受けるための厳格な証明書類です。


ここでは、設計上のスペックだけでなく、実際に建築された住宅が、設計どおりの省エネ性能で施工されたことを建築士等が確認したという事実が求められます。


設計段階の評価と施工確認の違い


BELS評価は、基本的には設計図書をもとに省エネ性能を計算・評価します。 しかし、住宅建設の現場では、設計と施工の間で変更が生じたり、断熱材の施工精度によって性能が変わる可能性があります。


そのため、住宅ローン控除という国税の還付を受けるための手続きでは、より確実性を期すために「工事監理報告書」や「現場での目視確認」に基づいた証明が必要です。


住宅省エネルギー性能証明書の発行にあたっては、建築士や登録住宅性能評価機関が、断熱材の施工状態や設備機器の設置状況などを現場(または工事写真等の記録)で確認し、設計どおりの性能が実現されていることを担保しましょう。


この「施工確認(工事監理)」のプロセスが必須であるため、設計評価が主体のBELS評価書だけでは、住宅ローン控除の証明書として代用できない仕組みになっています。


住宅ローン控除に必要な書類一覧


住宅ローン控除の確定申告には、省エネ性能を証明する書類として、以下のいずれかが必要です。


省エネ性能を証明する書類(いずれか1つ)


証明方法

必要書類

対象となる住宅

住宅省エネルギー性能証明書

住宅省エネルギー性能証明書

省エネ基準適合住宅

ZEH水準住宅

建設住宅性能評価書

建設住宅性能評価書の写し

※等級要件あり

省エネ基準適合住宅

ZEH水準住宅

長期優良住宅認定

認定通知書の写し

+住宅用家屋証明書 等

長期優良住宅

低炭素住宅認定

認定通知書の写し

+住宅用家屋証明書 等

低炭素住宅


その他の必要書類


  • 確定申告書

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書

  • 住民票の写し

  • 登記事項証明書

  • 金融機関からの借入金残高証明書

  • 売買契約書または工事請負契約書の写し


これらの書類を揃えて、住宅を取得(入居)した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行います。



住宅省エネルギー性能証明書の取得方法

住宅省エネルギー性能証明書の取得方法

住宅省エネルギー性能証明書は、住宅ローン控除を受けるための最も一般的な証明書です。取得には専門家による確認が必要ですが、BELS評価書があれば、スムーズに取得できるケースが多くあります。


証明書を発行できる資格者


住宅省エネルギー性能証明書を発行できるのは、以下の資格者です。


  1. 建築士(登録された建築士事務所に所属する一級・二級・木造建築士)

    • その住宅の設計または工事監理を行った建築士

    • または、第三者の立場にある建築士


  1. 登録住宅性能評価機関

    • 国土交通大臣の登録を受けた第三者機関


証明書の発行者は、設計図書の確認だけでなく、実際の施工状況についても責任を持って確認する必要があります。そのため、まずは「その家を設計・工事監理した建築士(ハウスメーカーや工務店の担当者)」に依頼するのが基本です。


BELS評価書を活用した取得の流れ


すでにBELS評価書を取得している場合、省エネ性能の計算が完了し、第三者によるお墨付きが得られている状態です。これを活用することで、手続きを大幅に簡略化できます。


  1. 発行依頼:BELS評価を行った評価機関、または工事監理を担当した建築士に、住宅省エネルギー性能証明書の発行を依頼します。この際、手元の「BELS評価書」と、施工状況がわかる「工事監理報告書」等を提示します。


  1. 現場確認・審査:発行者は、BELS評価の内容と実際の施工内容が一致しているかを確認します。通常は現場確認が必要ですが、工事監理報告書等で確実に施工が確認できる場合は、書類審査のみで発行されることもあります。


  1. 証明書の発行:確認が完了すると、住宅省エネルギー性能証明書が発行されます。BELS評価書があることで、改めて複雑な省エネ計算を一から行う必要がなくなり、費用と期間を圧縮できます。


取得にかかる費用と期間


住宅省エネルギー性能証明書の発行費用は、依頼先や住宅の規模によって異なりますが、一般的な戸建住宅の場合、3万円から7万円程度が相場です。マンションの場合は比較的安価で、2万円から5万円程度となることが多いです。


BELS評価書をすでに取得している場合、追加で1万円から3万円程度で住宅省エネルギー性能証明書を発行してもらえることがあります。一方、証明書のみを単独で依頼する場合は、省エネ計算から行う必要があるため、5万円から8万円程度かかることもあります。


発行期間は、通常2週間から4週間程度です。ただし、繁忙期(確定申告の時期など)は時間がかかる場合があります。BELS評価書がある場合は、1週間から2週間程度に短縮されることもあります。


確定申告は住宅取得の翌年に行うため、入居後早めに証明書の取得手続きを始めることが重要です。年明けからの依頼は混み合うため、可能であれば入居後すぐに手続きを開始するとスムーズです。



その他の証明方法と選択肢

その他の証明方法と選択肢

住宅省エネルギー性能証明書以外にも、住宅ローン控除の省エネ性能を証明する方法があります。住宅の性能レベルや取得済みの認定によって、最適な証明方法を選択できます。


長期優良住宅認定による控除


長期優良住宅の認定を受けている場合は、「認定通知書(写し)」と、市町村等の発行する「住宅用家屋証明書」(または建築士等が発行する認定長期優良住宅建築証明書)のセットで証明可能です 。 


長期優良住宅は、住宅ローン控除の借入限度額が最大(子育て世帯5,000万円/一般4,500万円)となるだけでなく、登録免許税や不動産取得税、固定資産税の軽減期間延長など、多くの税制メリットがあります。


設計住宅性能評価書の活用


「住宅性能表示制度」を利用し、完成後に「建設住宅性能評価書」が交付されている場合は、その写しを証明書として使用できます 。 ただし、記載されている等級が以下の条件を満たしている必要があります。


  • 省エネ基準適合住宅として申請する場合

    • 断熱等性能等級 4 以上

    • かつ、一次エネルギー消費量等級 4 以上


  • ZEH水準省エネ住宅として申請する場合

    • 断熱等性能等級 5 以上

    • かつ、一次エネルギー消費量等級 6 以上


お手元の「建設住宅性能評価書」を確認し、上記の等級をクリアしていれば、別途「住宅省エネルギー性能証明書」を取得する必要はありません。そのままコピーを確定申告書に添付してください。 


※「設計住宅性能評価書」では代用できないため、必ず完成後の「建設」評価書を用意してください。



まとめ


BELS評価書は住宅ローン控除の確定申告に直接使用できませんが、住宅省エネルギー性能証明書を取得する際の裏付け資料として活用できます。証明書は建築士や登録住宅性能評価機関が発行でき、BELS評価書と工事監理報告書をもとに現場確認を経て交付されます。


費用は3万円から7万円程度で、発行には2週間から4週間かかります。長期優良住宅認定や建設住宅性能評価書でも証明可能です。省エネ性能を証明して税制優遇を受けるためにも、早めの準備が重要です。

 
 
 

コメント


bottom of page