top of page

CASBEE不動産とは?取得メリットから評価基準・申請方法まで解説

  • soccer31415mt926
  • 9月13日
  • 読了時間: 8分

更新日:10月21日

ESG投資や環境配慮が重視される今「不動産でも環境性能を示す認証が必要?」と感じている方もいるでしょう。CASBEE不動産は、建物の環境性能を第三者が評価・認証する仕組みで、投資家への信頼性向上やGRESB評価での加点などのメリットがあります。


本記事では、CASBEE不動産の概要や取得メリット、評価基準などを解説します。不動産の資産価値を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


CASBEE不動産とは

CASBEE不動産とは

CASBEE不動産は、不動産の環境性能を数値化し、第三者が客観的に評価・認証する制度です。ESG投資やグリーンビルディングへの関心が高まる中、投資家・テナントからの信頼獲得や資産価値向上の手段として注目されています。


建物のエネルギー効率や資源利用だけでなく、居住者の快適性や周辺環境への配慮も評価対象です。設計・施工段階だけでなく、運用中の性能も重視され、長期的な視点での持続可能性を評価します。


従来の性能基準に加えて、「人と環境に優しい不動産」であるかどうかを示す指標として、CASBEE不動産は企業のCSR活動や環境経営戦略の一環としても有効です。今後、環境配慮が不動産選定の前提条件となる中で、その重要性はさらに高まるでしょう。



CASBEE不動産の認証件数は増加傾向にある

CASBEE不動産の認証件数は増加傾向にある

CASBEE不動産の認証件数は年々増加しており、環境性能の可視化が不動産市場で重視されていることを示しています。背景には、ESG投資の拡大と企業の環境配慮姿勢への評価の高まりがあります。特に都市部では、認証済み物件が資産価値の維持や収益性の観点から選ばれる傾向が強まっています。


実際、環境性能を証明する手段としてCASBEEを活用する開発事業者や投資家が増えており、信頼性・客観性の高い評価制度として支持を集めています。認証取得によって、長期的な運用コストの削減やテナント満足度の向上といった副次的な効果も期待できるため、その価値はますます高まっています。


今後も、サステナビリティを重視する企業活動の一環として、CASBEE不動産の認証取得は一層加速すると見られます。環境と経済性を両立させる不動産開発が、社会的にもスタンダードとなる時代が近づいています。


CASBEE不動産を取得するメリットは?


CASBEE不動産を取得することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、CASBEE不動産を取得するメリットを紹介します。


投資家にアピールできる


CASBEE不動産の認証は、投資家に対して建物の環境性能と将来性を示す有力なアピール材料となります。近年注目が高まるESG投資では、環境に配慮した不動産が投資先として重視されており、CASBEEの認証取得はその信頼性を裏付ける客観的な指標です。


認証を受けた物件は、エネルギー効率や環境負荷低減に優れていることが明確であるため、将来的な法規制や市場の変化にも柔軟に対応できる資産として評価されやすくなります。


特に、環境意識の高い機関投資家や金融機関からの注目が集まりやすく、他の物件との差別化にもつながります。


加えて、環境性能の高さは長期的なコスト削減やテナント満足度の向上にも寄与し、物件の収益性や資産価値の維持・向上にも好影響をもたらします。


結果として、CASBEE不動産の認証取得は、投資判断における安心材料となり、不動産の魅力を高める有力な戦略といえます。


GRESBの加点対象になる


CASBEE不動産の認証取得は、国際的なESG評価指標であるGRESBにおいて加点対象となります。


GRESBは、不動産ファンドやREITなどが環境・社会・ガバナンス(ESG)にどう取り組んでいるかを評価するグローバルなベンチマークであり、多くの機関投資家が投資判断の基準としています。


CASBEE不動産は、建物の環境性能を第三者が評価・認証する制度であり、これによりGRESBが求める透明性と信頼性を満たす証拠となります。


実際、GRESBの評価項目には「第三者による環境認証の取得」があり、CASBEEもその一つとして認識されているため、認証を受けた物件は評価スコアの向上が期待できます。


賃料上昇・利回り低下につながる


CASBEE不動産の認証取得は、賃料の上昇を促進し、結果として利回りの低下(=価格上昇)につながる傾向があります。環境性能が高く、運用コストの低い建物は、テナントにとって魅力的な選択肢であり、特にESG意識の高い企業からの需要が高まっています。


その結果、同等スペックの物件よりも高い賃料設定が可能になり、空室率の低下にも寄与します。これにより、収益の安定性が増し、資産価値の上昇にもつながります。一方で、認証取得には一定の初期コストを要するため、短期的には利回りが一時的に低下する可能性もあります。


しかし、長期的には賃料収入の増加と資産価値の向上によって投資回収が見込まれ、持続的な利益を確保できる見通しが立ちます。環境性能を武器に、収益性と社会的評価の両立を図れることが、CASBEE不動産の強みです。



CASBEE不動産の評価基準 

CASBEE不動産の評価基準 

CASBEE不動産の評価は、建物の環境性能を多角的に分析し、総合的に評価する仕組みです。その評価の枠組みには、下記のような要素が含まれます。

  • 対象建築物

  • 評価項目

  • 評価ランク

ここからは、それぞれの評価構造について詳しく解説していきます。


対象建築物


CASBEE不動産の評価対象は、オフィスビル、商業施設、集合住宅など、一定規模を有する新築および既存の建物です。建物の用途や規模に応じて評価基準が設けられており、それぞれの特性に即した適切な評価が可能です。


評価では、エネルギー効率や資源の使用状況、居住者の快適性といった要素を総合的に判断します。特に、環境に配慮した設計や施工がなされているかが重視され、環境性能向上への取り組みが評価ランクに直結します。


環境性能が不動産の価値に直結する今、CASBEE不動産の評価は、持続可能な開発を実現するための有効な指標として広く活用されています。


評価項目


CASBEE不動産の評価は、さまざまな評価項目に基づいて行われます。これらの評価項目は、建物の環境性能を多角的に評価するために設計されており、具体的には、下記などの要素が含まれます。


  • 環境負荷の低減

  • 快適性の向上

  • 資源の効率的利用


まず、環境負荷の低減に関しては、エネルギー効率や温室効果ガスの排出量、再生可能エネルギーの利用状況などが評価されます。これにより、建物がどれだけ環境に配慮しているかを数値化し、持続可能な開発に寄与しているかを示すことができます。


次に、快適性の向上については、居住者や利用者の快適さを考慮した設計や設備が評価されます。


具体的には、室内の温度や湿度、自然光の取り入れ方、音環境などが重要な要素となります。これらは、利用者の健康や生産性に直接影響を与えるため、非常に重要な評価基準です。


資源の効率的利用に関しては、建物の材料選定や廃棄物管理、リサイクルの取り組みなどが評価されます。これにより、資源の無駄遣いを防ぎ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが評価されるのです。


評価ランク


CASBEE不動産の評価は、建物の環境性能を数値化し、ランク付けすることで行われます。この評価ランクは、建物が持つ環境への配慮や持続可能性を示す重要な指標となります。


CASBEE不動産の評価ランクは、の5段階に分かれており、最も高い「S」が最優秀の評価を意味します。


  • S

  • A

  • B+

  • B

  • C


評価ランクは、建物の設計や運用における環境性能を総合的に評価するもので、具体的にはエネルギー効率、資源の使用、環境負荷の低減などが考慮されます。


これにより、投資家や利用者は、どの程度環境に配慮した建物であるかを一目で理解することができます。 また、評価ランクは不動産の資産価値にも影響を与えるため、特に投資家にとっては重要な要素となります。


高い評価ランクを取得することで、物件の競争力が向上し、賃料の設定や売却時の価格にも良い影響を与えることが期待されます。



CASBEE不動産の申請方法

CASBEE不動産の申請方法

CASBEE不動産の認証を取得するには、建物が評価基準を満たしているかを確認したうえで、所定の手続きに従って申請を行います。まずは、対象物件の設計や運用状況に関するデータを収集・整理し、評価に必要な情報を把握します。


次に、CASBEE不動産の評価ツール(公式サイトからダウンロード可)を用いて、建物の環境性能を自己評価します。このツールに建物の情報を入力し、評価結果を算出します。


評価結果を添えた申請書類を、認定を行う第三者評価機関へ提出します。審査期間は数週間から数カ月程度かかることがあるため、余裕を持ったスケジュールが望まれます。


審査の結果、基準を満たしていれば認証書が発行されます。これにより、物件の環境性能を客観的に示すことができ、投資家やテナントへの信頼性向上にもつながります。認証取得は、環境配慮型不動産への第一歩として有効です。



CASBEE不動産についてよくあるQ&A


CASBEE不動産に関する疑問は多岐にわたります。ここでは、よくある質問を取り上げ、具体的な回答を提供します。


Q1: CASBEE不動産の評価ツールはどこでダウンロードできる? 


評価ツールは、CASBEEの公式ウェブサイトからダウンロード可能です。最新のバージョンを使用することで、正確な評価が行えますので、定期的にチェックすることをお勧めします。

Q2:CASBEE不動産の評価マニュアルを手に入れるには? 


公式サイトからダウンロードできます。マニュアルには、評価基準や申請手続きの詳細が記載されており、初めての方でもスムーズに進められる内容となっています。


Q3:CASBEE不動産の有効期限は?


一般的に、認証の有効期限は5年間です。この期間内に、建物の環境性能が維持されているかどうかを確認する必要があります。


Q4:CASBEE不動産の取得費用は?


取得費用は、建物の規模や評価の内容によって異なります。具体的な金額は、申請時に見積もりを依頼することで確認できます。費用対効果を考慮しながら、取得を検討することが重要です。



まとめ 


CASBEE不動産の認証は、環境配慮型の物件であることを可視化し、投資家やテナントに対する信頼性の向上や物件価値の向上に貢献します。ESG投資の追い風もあり、GRESB評価での加点や賃料上昇といった経済的メリットも期待できます。


今後、不動産における環境性能の重要性はさらに高まり、CASBEE不動産の取得は、環境対応と収益性を両立する戦略として有効な選択肢となるでしょう。


 
 
 

コメント


bottom of page