長期優良住宅とBELSの違いは?それぞれのメリットと選び方を徹底比較
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- 2025年12月11日
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住宅の性能評価制度として注目される「長期優良住宅」と「BELS」。どちらも住宅の質を証明する制度ですが、評価の対象や基準、受けられるメリットには大きな違いがあります。
本記事では、長期優良住宅とBELSの違いを詳しく解説し、それぞれのメリットや取得すべきケース、補助金・税制優遇の比較について紹介します。
長期優良住宅とBELSの基本概要

長期優良住宅とBELSは、どちらも国が定めた住宅の性能を評価する制度ですが、その目的や評価の視点が大きく異なります。
長期優良住宅とは
長期優良住宅は、長期にわたって良好な状態で使用できる質の高い住宅を認定する制度です。2009年に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて始まり、住宅の長寿命化と質の向上を目的としています。
認定を受けるには、耐震性、劣化対策、維持管理・更新の容易性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画の7つの項目で基準を満たす必要があります。省エネ性能だけでなく、構造や設備、維持管理のしやすさまで総合的に評価される点が特徴です。
認定は所管行政庁(市区町村または都道府県)が行い、設計段階で申請します。認定を受けた住宅には、住宅ローン減税の優遇拡大、不動産取得税・固定資産税の軽減、登録免許税の引き下げなど、手厚い税制優遇措置が用意されています。
BELSとは
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、建築物の省エネ性能を第三者機関が客観的に評価し、5段階または6段階の星マークで表示する制度です。2016年4月に建築物省エネ法に基づいて始まりました。
BELSは省エネ性能のみに特化した評価制度で、BEI(Building Energy Index)という指標を用いて住宅のエネルギー消費効率を数値化します。星の数が多いほど省エネ性能が高く、最大で星5つ(再エネ設備がある場合は星6つ)の評価を受けられます。
評価は登録住宅性能評価機関などの第三者機関が行い、新築だけでなく既存住宅にも適用できます。長期優良住宅と比べて評価項目が少なく、取得手続きが比較的シンプルなため、費用や期間の面で負担が軽いのが特徴です。
長期優良住宅とBELSの主な違い

長期優良住宅とBELSは、評価の視点や手続き、受けられるメリットなど、さまざまな点で違いがあります。それぞれの特徴を比較して、違いを明確にしましょう。
評価基準と認定項目の違い
長期優良住宅は、住宅の総合的な品質を評価する制度です。
評価項目は7つあり、耐震性(耐震等級2以上)、劣化対策(劣化対策等級3以上)、維持管理・更新の容易性(維持管理対策等級3以上)、省エネルギー性(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)、居住環境への配慮、住戸面積(戸建75㎡以上、マンション55㎡以上)、維持保全計画の策定が求められます。
一方、BELSは省エネ性能のみを評価します。断熱性能と設備効率を総合的に判断するBEI値を算出し、その数値に応じて星の数を決定します。耐震性や劣化対策、住戸面積などは評価の対象外です。
評価対象と範囲の違い
長期優良住宅の認定は、新築住宅が主な対象ですが、2022年10月からは既存住宅の増改築でも認定を受けられるようになりました。ただし、新築時と同等の基準を満たす必要があるため、既存住宅での取得はハードルが高くなります。
BELSは、新築・既存を問わず、すべての建築物が評価対象となります。戸建住宅、マンション、オフィスビル、商業施設など、用途の制限もありません。既存住宅でも、現状の省エネ性能を評価して星の数を取得できるため、中古住宅市場での活用も進んでいます。
認定機関と手続きの違い
長期優良住宅の認定は、所管行政庁(市区町村または都道府県)が行います。申請は設計段階で行い、技術的審査を登録住宅性能評価機関に依頼することが一般的です。
審査には設計図書、構造計算書、維持保全計画書など多くの書類が必要で、審査期間は1〜2ヶ月程度かかります。認定費用は、戸建住宅で5万円〜30万円程度です。
BELSの評価は、登録住宅性能評価機関などの第三者機関が行います。申請に必要な書類は設計図書や省エネ計算書など、長期優良住宅と比べて少なく、審査期間も2〜4週間程度と短めです。評価費用は戸建住宅で3万円〜10万円程度と、比較的リーズナブルです。
それぞれのメリットと優遇措置

長期優良住宅とBELSでは、取得によって受けられるメリットや優遇措置に違いがあります。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅の最大のメリットは、充実した税制優遇措置です。
住宅ローン減税では、2024年・2025年入居の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯(19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)で借入限度額が最大5,000万円(13年間)、一般世帯で4,500万円となります。
年末ローン残高の0.7%が控除されるため、子育て世帯・若者夫婦世帯では最大で約455万円の減税効果があります。
不動産取得税では、控除額が一般住宅の1,200万円に対し、1,300万円に拡大されます。固定資産税は、新築後5年間(マンションは7年間)にわたり2分の1に軽減されます。登録免許税も、保存登記が0.15%から0.1%、移転登記が0.3%から0.2%へと引き下げられます。
また、フラット35では金利引き下げ制度(フラット35S)の対象となり、当初5年間または10年間、金利が0.25%引き下げられます。
BELSのメリット
BELSのメリットは、省エネ性能を客観的に証明できることです。星の数で性能がわかりやすく表示されるため、住宅購入者や入居者に対して省エネ性能をアピールできます。中古住宅市場では、物件の差別化や資産価値の向上につながります。
税制面では、BELS単独では大きな優遇措置はありませんが、省エネ基準を満たしていることの証明として住宅ローン減税に活用できます。星3つ以上(ZEH水準)の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯で借入限度額が4,500万円、一般世帯で3,500万円となります。
BELSの最大の活用場面は、ZEH補助金の申請です。ZEH支援事業では、BELS評価書の提出が要件となっているケースが多く、補助金額は基本55万円で、ZEH+など高性能な仕様では最大112万円程度(蓄電池併設の場合はさらに加算)となります。
補助金額の比較
住宅の補助金制度では、長期優良住宅の方が優遇される傾向があります。
子育てエコホーム支援事業(2024年度)では、長期優良住宅は100万円、ZEH住宅は80万円の補助が受けられます。長期優良住宅は省エネ性能に加えて耐震性などの基準も満たすため、補助額が高く設定されています。
地域型住宅グリーン化事業では、長期優良住宅(認定低炭素住宅含む)の場合、グループや仕様によって最大140万円程度の補助が受けられます。ZEH補助金は基本55万円で、ZEH+などの高性能仕様では最大112万円程度のため、長期優良住宅の方が有利です。
主な補助金の比較
制度 | 長期優良住宅 | BELS(ZEH水準) |
子育てエコホーム支援事業 | 100万円 | 80万円 |
地域型住宅グリーン化事業 | 最大140万円程度 | 最大140万円程度 |
ZEH補助金 | 対象外 | 55万円〜112万円程度 |
補助金の選択は、住宅の性能レベルや工事内容によって最適な制度が異なるため、事前に確認することが重要です。
どちらを取得すべきか

長期優良住宅とBELSのどちらを取得すべきかは、住宅の性能レベルや予算、優遇措置の活用方法によって変わります。目的に応じた選び方を理解しましょう。
目的別の選び方
住宅の目的や状況に応じて、最適な制度を選択することが重要です。以下の表を参考に、自分に合った選択をしましょう。
目的・状況 | おすすめ | 理由 |
税制優遇を最大化したい | 長期優良住宅 | 住宅ローン減税(最大4,500万円)、不動産取得税、固定資産税、登録免許税のすべてで優遇。総合的な節税効果が最大 |
省エネ性能のみを証明したい | BELS | 評価費用3万円〜10万円と安価で手続きも簡便。省エネ性能を星で明確に表示できる |
既存住宅・中古住宅 | BELS | 長期優良住宅は既存住宅での取得ハードルが高い。BELSなら現状の性能を証明可能 |
リフォーム後の性能証明 | BELS | リフォーム後の省エネ性能向上を客観的に示せる |
新築で高性能住宅を建てる | 両方取得 | 予算に余裕があれば両方取得で最大限のメリットを享受 |
両方取得するメリット
長期優良住宅とBELSの両方を取得することで、それぞれの制度のメリットを組み合わせることができます。長期優良住宅の認定により税制優遇を最大化しつつ、BELS評価書で省エネ性能を星マークでわかりやすく示すことが可能です。
特に、ZEH水準以上の高性能住宅を建てる場合、長期優良住宅とBELS星3つ以上の組み合わせにより、住宅の総合的な価値を最大限にアピールできるでしょう。
費用面では、長期優良住宅の認定申請とBELS評価を同時に進めることで、省エネ計算などの重複作業を削減でき、個別に取得するよりもコストを抑えられる場合があります。
まとめ
長期優良住宅は耐震性や維持管理など総合的な住宅性能を評価する制度で、BELSは省エネ性能に特化した評価制度です。長期優良住宅の方が補助金額や税制優遇が手厚く、住宅ローン減税の借入限度額は最大4,500万円となります。
一方、BELSは取得費用が3万円〜10万円程度と比較的安価で手続きも簡便、ZEH補助金の申請に活用できます。
税制優遇を最大化したい場合は長期優良住宅、省エネ性能のみを証明したい場合や既存住宅ではBELSが適しています。目的に応じて最適な制度を選択しましょう。

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