建築物省エネ法における届出とは?対象建築物や手続きについて解説 | 株式会社JNS建築事務所

更新日:6月29日

2017年4月に施行された「建築物省エネ法(通称:省エネ法)」によって、規定以上の建築物には省エネ計画の届出が義務づけられています。届出を怠ると罰則を受ける可能性があるため、適切に対応することが大切です。


一方、省エネ法で定められているのは、建築物の規模や用途によって届出義務・省エネ適判・説明義務と異なります。届出義務の対象と手続きの流れを理解し、違反のないように注意しましょう。


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建築物省エネ法とは〜届出・省エネ適判・説明義務〜

建築物省エネ法とは、建築物の省エネ性能の向上を図るために2017年4月に施行された法令です。以下2つの措置を一体的に講じています。


  • 省エネ基準への適合義務等の規制措置

  • 誘導基準に適合した建築物の容積率特例等の誘導措置


誘導基準は、非住宅:省エネ基準の0.8倍の一次エネルギー消費量・住宅:省エネ基準と同等の外皮熱性能、省エネ基準の0.9倍の一次エネルギー消費量です。

※非住宅の外皮熱性能は、一定の条件のもとで算出


省エネ法では建築物の規模や用途によって、説明義務・届出義務・省エネ適判を受ける義務が定められています。


※特定建築物とは、非住宅部分が床面積2,000m2以上の新築のこと。特定建築物の増改築や増築後に特定建築物となる増築を特定建築物行為と呼ぶ。

※床面積:高い開放性を有する部分を除いた床面積


省エネ法は2021年4月1日に改正しており、基準が一部変更されています。床面積の合計が300㎡以上の非住宅建築物は省エネ適判の対象となっているので、注意しましょう。

また届出義務においては、工事種別(新築・増築など)や用途によって適用される基準が異なります。



※住宅の一次エネルギー消費基準は、全住戸+共用部分の合計が基準以下が必須

※2017年4月施行時の既存住宅の増改築については外皮基準適合を求めない


届出義務を怠ると、以下の罰則が課せられる可能性があります。


  • 届出を怠った、または虚偽の届出を行った:50万円以下の罰金

  • 基準不適合であり所管行政庁が罰則を必要と認めた:指示

  • 指示に従わない:命令

  • 命令違反:100万円以下の罰金


上記の指示や命令に従わない場合は、企業名を公表されるリスクもあるため注意しましょう。





省エネ法における届出の対象〜住宅・共同住宅・工場などの用途〜

省エネ法における届出の対象は、住宅・共同住宅・工場などの用途によって異なります。それぞれ正しく理解し、届出漏れがないよう適切に対応しましょう。


住宅の場合

住宅の場合の届出対象は、以下のとおりです。


  • 床面積の合計が300m2以上の新築住宅

  • 既存住宅を増改築する場合に、増築・改築に係る面積合計が300m2以上になるもの


簡単に述べると、新築・増改築にかかわらず床面積の合計が300m2を超える場合は、省エネ法における届出義務の対象となります。


増改築に係る面積が300m2以上の場合も対象となるので、中古住宅であっても場合によっては届出手続きが必要です。


共同住宅の場合

共同住宅の場合も、床面積の合計が300m2以上の新築住宅は届出義務の対象です。

ちなみに、共同住宅における届出義務には次のような特徴があります。


  • 同じ敷地内に複数の建築物がある場合は別棟として扱われ、それぞれの床面積が300m2未満の場合は届出義務に該当しない。

  • 建築物全体だけでなくすべての住戸の届出が必要(一次エネルギー消費量のみ建築物全体での適合でよい)。

  • 届出対象となる共用部設備は、共用部分に設置された空調・換気・給湯・昇降機設備のみ(屋外廊下に設置された照明も対象となる可能性あり)。


このほか、省エネ法における共同住宅には細かな基準が存在します。JNSでは基準クリアに向けてのコンサルティングを行っておりますので、お気軽にご相談ください。





工場の場合

工場の場合は、規模や住宅・非住宅の用途によって各種義務の対象が異なります。以下の基準に該当する場合のみ、省エネ法における工場の届出が必要です。


  • 住宅:床面積が300㎡以上の新築または増改築

  • 非住宅:床面積が300㎡以上の新築、増改築(基準適合義務対象を除く)


ただし、以下の用途に該当する建築物は届出義務が適用から外れます。


複合建築物の場合、住宅用途・非住宅用途の床面積が300m2以上の建築物は届出ではなく省エネ適判を受ける必要があります。


省エネ法の届出の手続き〜いつまでにどこへ〜

省エネ法における届出の手続きの流れを紹介します。届出の対象となる場合は、着工21日前までに所管行政庁へ届出を行いましょう。


  1. 建築主は「建築物エネルギー消費性能確保計画」という書類を作成し、届出書・添付図書とともに所管行政庁へ提出します(着工21日前まで)。

  2. 所管行政庁の受付・確認後、適合の場合は着工に移ります。不適合の場合は所管行政庁から指示を受け、これに対する措置を講じます。

  3. 届出後に計画の変更があった場合は、「変更の届出」が必要です。所管行政庁へ変更届を提出し、適合を受けた場合は着工に移ります。


届出手続きの代行業者を利用することで、書類作成の代行や届出に必要な基準クリアのサポートを受けられます。


また届出の期限は着工21日前ですが、3日前まで期限が延長される特例もあります(詳細後述)。ちなみに、届出に関しての手数料は発生しません。





提出書類


提出書類は、BELS評価書など民間審査機関が交付する書類を添付することで簡略化できます(詳細後述)。


届出期限を延長できる特例

届出期限は原則として着工21日前までですが、特定の書類を提出する場合は3日前までに延長されます。特定の書類とは、省エネ基準への適合判定を行う民間審査機関が交付する書類などが挙げられます。


  • 設計住宅性能評価書※

  • BELS評価書※ など


民間審査機関は全国に展開しています。一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が一覧を公表しておりますので、ご参考ください。


省エネ法の届出手続きはJNSにお任せ

一定規模以上の建築物を建設する際には、省エネ法の届出手続きが必要です。届出を怠る・虚偽の報告をすると罰則があるため、適切に対応しましょう。


一方、省エネ法の届出は対象や提出書類の準備がやや複雑です。JNSでは、事前検討・基準値クリアに向けたコンサルティング・計算書の作成などの届出手続きを一貫してサポートしています。詳しくは下記のバナーをクリックください。


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