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CASBEE-不動産とは?概要や対象建築物、評価員制度を解説 | 株式会社JNS建築事務所

更新日:2022年6月29日


CASBEE-不動産は、不動産の環境性能を評価するために開発されたツールのことを指します。CASBEE-不動産を取得している建築物は不動産価値が高いとされており、資産的な価値も十分です。


そんなCASBEE-不動産について、詳しい概要がわからずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。


この記事ではCASBEE-不動産の詳しい概要や対象の建築物、評価員制度について解説しています。取得のメリットについても紹介していますので、ぜひ参考にされてみてください。


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CASBEE-不動産とは?

CASBEE-不動産は、CASBEEにおいて評価された建物の環境性能の結果を、不動産評価の際に活用することを目的として開発されたツールです。


不動産の開発や取引に従事するマーケット関係者が短い時間で簡単に評価できるよう、不動産評価に関連が強い項目に絞って評価基準を設けています。


評価対象は竣工後1年以上経過した既存建築物となり、実際には1年以上の運用実績データが必要です。また、建物の用途はオフィス、店舗、物流施設に限定されていることが評価の条件となります。


加えて、評価結果は自由利用できるものの、広告物やホームページなどを使って一般向けに公表する場合は、「CASBEE不動産評価認証」の取得が必須となるため注意しましょう。


CASBEE-不動産の評価認証について

CASBEE-不動産の評価認証は、CASBEE-不動産にて評価された建築物について、評価内容を審査し、第三者機関が認証する制度のことです。





竣工後1年以上の運用実績を有し、CASBEE-不動産により評価された建築物が対象となります。建物の規模は問われないものの、建物全体の床面積に対して、一定割合以上が下記に含まれていることが必要です。

  • 事務所

  • 店舗

  • 集合住宅

  • 物流施設

  • 改修用途

CASBEE-不動産の評価項目について

CASBEE-不動産には、以下5つの評価項目が用意されています。

  • エネルギー/温暖化ガス

  • 資源利用/安全

  • 生物多様性/敷地

  • 屋内環境


エネルギー/温暖化ガス

エネルギー/温暖化ガスは主に省エネ基準への適合、目標設定とモニタリング、運用管理体制の3つが必須項目です。また、使用・排出原単位や自然エネルギーについても評価されます。


なお、該当する場合は省エネルギー法や東京都環境確保条例の遵法性が必要です。


水の評価は、水使用量の目標設定とモニタリングが必須項目とされます。評価は計算値と実測値によって行われます。





資源利用/安全

資源利用/安全は防災・安全の面を評価する項目です。耐震性や免震構造、再生材利用率、躯体材料の耐用年数などが評価されます。


なお、廃棄物処理法と各条例、建築基準法の新耐震基準の遵法性が求められます。新耐震基準以前に建築された建物であっても、耐震改修を施しているかは必須項目です。


生物多様性/敷地

生物多様性/敷地については、特定外来生物・未判定外来生物・要注意外来生物を導入していないかを評価する項目です。


生物多様性の向上や土壌環境品質、公共交通機関の接近性についても評価項目に含まれます。


外来生物法および環境省が発表している「適切な取扱いについて理解と協力をお願い」についての遵法性が求められます。


屋内環境

屋内環境については、建築物衛生管理基準の準拠が必須項目とされています。昼光利用や昼光利用、眺望についても求められ、働きやすい環境の構築が必要です。


遵法性については労働安全衛生法や建築物衛生法、健康増進法に遵守する必要があります。


CASBEE-不動産取得のメリットは?

CASBEE-不動産を取得するメリットとして、以下の3つがあげられます。

  • 投資家へアピールできる

  • GRESBの加点対象になる

  • 賃料上昇および利回り低下の要因になる


それぞれのメリットについて、詳しくみていきましょう。


投資家へアピールできる

CASBEE-不動産を取得した建築物は、環境配慮および室内の快適性や景観への配慮などが総合的に優れている建築物となります。いわゆる「グリーンビルディング」であることが客観的に見ても分かり、不動産価値の高さを投資家へアピールできるでしょう。


「グリーンビルディング」は環境性能の高い建築物のことを指し、不動産投資においてもかなり注目されています。実際、投資家たちの中ではESG投資(環境や社会、企業統治に配慮した投資)の注目度が高いです。


CASBEE-不動産はESG投資の評価基準のひとつとも考えられており、特にSランクやAランクを取得している建築物は、より投資家へアピールしやすい建築物といえます。





GRESBの加点対象になる

GRESBとは「不動産会社・ファンド単位の環境性能を測るシステム」のことを指し、CASBEE-不動産を取得している建築物はGRESBの加点対象になります。


GRESBの加点対象となる理由として、環境認証を受けた保有物件を問う項目が設けられていることがあげられます。実際、CASBEE-不動産はGRESBの評価対象の一つです。


また、不動産投資においてもGRESBは注目を集めており、不動産投資家が投資判断をするための重要な指標の一つといえるでしょう。


なお、GRESBは不動産単体ではなく、組織として環境や社会、企業統治に配慮していることを表すため、投資家へ更なるアピールをしたい場合にも役立ちます。なお、GRESBの取得・加点を目指すなら、CASBEE-不動産の高ランク取得を目指しましょう。


賃料上昇および利回り低下が期待できる

建築物がCASBEE-不動産を取得すると、賃料上昇および利回り低下の要因になります。CASBEE-不動産を取得している建築物は、投資家がグリーンビルディングであることを認識しやすいです。


CASBEE-不動産を取得している建築物はESG投資に適した不動産となり、賃料が上昇したり、利回りが低下が期待できることを理解しておきましょう。


CASBEE不動産評価員とは?

CASBEE不動産評価員とは、CASBEE-不動産の正しい評価を実施できる人を要請することを目的として生まれた資格制度です。


CASBEE不動産評価員の資格を得るためには「CASBEE不動産評価員講習」を受講し、「CASBEE不動産評価員試験」に合格した上で自ら登録する必要があります。


なお、CASBEE建築評価員の登録者については「試験免除」の特例が与えられます。





CASBEE不動産評価員資格取得の流れ

CASBEE不動産評価員の資格は、以下の流れで取得が必要です。


  1. IBEC主催のCASBEE不動産評価員講習を受講

  2. CASBEE不動産評価員試験の受験

  3. 試験合格

  4. CASBEE不動産評価員の登録申請


上記4つの手順を踏むことで、CASBEE不動産評価員として活動できます。


なお、評価員資格は5年ごとの更新制となっており、更新を忘れると資格は完全に失効します。


2022年度CASBEE不動産評価員の試験について

2022年度CASBEE不動産評価員の試験は、現時点で詳細な日程が決まっていません。冬ごろ開催と告知されています。(※2022年5月18日時点)


CASBEE不動産評価員取得の難易度は?

2021年度のCASBEE不動産評価員試験の結果は、以下のようになっています。


受験者数 118名

合格者数 99名

合格点 26点以上(30問中26問以上正解)


合格率は約84%となっており、比較的合格率は高いといえるでしょう。

参照元:https://www.ibec.or.jp/CASBEE/CASBEE_AP/lecture_exam.htm


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