長期優良住宅とはどんな制度?概要やメリットについても解説 | 株式会社JNS建築事務所

更新日:6月29日


長期優良住宅は、安心して長く暮らせる家のことを指す、国の認定制度です。この長期優良住宅について、名前を聞いたことがあるものの、実際の制度内容についてはわからない人も多いのではないでしょうか。


この記事では長期優良住宅の概要紹介とあわせて、認定条件や取得のメリット・デメリットを解説しています。


長期優良住宅の取得を考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。


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長期優良住宅とは?

長期優良住宅は、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。長期間良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅であり、以下のような認定基準を満たす必要があります。


  • 長期に使用するための構造及び設備を有していること

  • 居住環境等への配慮を行っていること

  • 自然災害等への配慮を行っていること

  • 一定以上の住戸面積を有していること

  • 維持保全の期間、方法を定めていること


長期優良住宅に関連する法律は平成20年12月に成立し、平成21年6月4日に施行されています。


長期優良住宅の目的は「多数の優良な住宅を作り、大切に手入れしながら長く利用していくことを目指す」制度です。長期優良住宅として認定されると、一般住宅にはないさまざまなメリットを受けられます。


長期優良住宅の認定条件

長期優良住宅として認定されるためには、以下7つの条件を満たす必要があります。


  • 劣化対策

  • 耐震性

  • 維持管理・更新の容易性

  • 省エネルギー対策

  • 居住環境への配慮

  • 住戸面積

  • 維持保全計画


それぞれの詳細について、詳しくみていきましょう。


劣化対策

劣化対策の認定条件は、「数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること」となります。使用されている建築素材により細かな条件は異なり、認定条件は以下の通りです。


  • 木造:床下や小屋裏に点検口を設置し、床下に有効高さ330mmの空間を確保すること

  • 鉄骨造:柱・梁・筋かいに使用する網材の厚さ区分に応じた防錆措置または上記木造同様の措置

  • 鉄筋コンクリート造:水セメント比を5%低減、またはかぶり厚さを1cm増加




耐震性

耐震性については、極めて稀に発生する地震に対して、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷レベルの低減を図ることが認定条件となります。


加えて、耐震等級2以上もしくは免震建築物であることが必要です。


維持管理・更新の容易性

維持管理・更新の容易性は、「構造躯体に対し、耐用年数が短い内装・設備の維持管理を容易にするための措置が講じられているか」が認定条件です。


維持管理は具体的に清掃や点検、補修および更新を指し、コンクリート内に配管が埋め込まれていないか、地中に配管が埋め込まれていないかなどを確認します。


省エネルギー対策

省エネルギー対策は、「必要な断熱等性能の省エネルギー性能が確保されていること」が認定条件となります。


長期間利用されるべき構造躯体には必須で、対応しておくべき性能の一つです。





居住環境への配慮

居住環境への配慮は、「良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること」が認定条件となります。


また、以下のような計画・協定に該当する場合には、それらの内容に対する適合も必要です。


  • 地区計画

  • 景観計画

  • 条例による街並み等の計画

  • 建築協定

  • 景観協定

住戸面積

住戸面積においては、「良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること」が求められます。床面積においては合計75㎡以上で、1つの階の床面積が40㎡以上必要です。


なお、地域の実情により55㎡を下限として、必要面積の引き上げ・引き下げが行われます。


維持保全計画

維持保全計画については、「建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること」が必要です。


構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分、給水・排水設備について点検の時期・内容を定め、少なくとも10年ごとに点検を実施することや、点検の結果、必要に応じて補修等を行うことなどが求められます。





長期優良住宅のメリットは?

長期優良住宅として認定されると、以下のようなメリットが生まれます。


  • 各種減税や特例が適用される

  • 住宅ローンの金利が優遇される

  • 地震保険料の割引が受けられる

  • 売却時の付加価値が得られる


4つのメリットについて、詳しくみていきましょう。


各種減税や特例が適用される

長期優良住宅として認定された住宅は、各種減税や特例が適用されます。具体的に適用される減税や特例は以下の通りです。


  • 住宅ローン控除の拡充

  • 投資型減税

  • 不動産取得税の減税

  • 登録免許税の税率引き下げ

  • 固定資産税の減税期間延長


税金面での優遇を受けたいのであれば、長期優良住宅の取得がおすすめといえます。


住宅ローンの金利が優遇される

長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を利用する場合、金利が優遇されるのもメリットの一つです。


加えて「フラット35S」の適用ができれば、更に借入金利を下げられるのもメリットとなるでしょう。





地震保険料の割引が受けられる

長期優良住宅は地震保険料の割引対象となっており、耐震等級によって割引率が変動します。


耐震等級2の場合には20%、耐震等級3の場合には30%の割引が受けられるため、地震保険をお得に利用できるでしょう。


売却時の付加価値が得られる

長期優良住宅は国の認定制度であることから、該当の住宅が高性能な家であることを客観的に示せます。


そのため、何かしらの理由で売却が必要になった場合も、高値で売却しやすいです。なお、売却時は長期優良住宅に関する認定書類を提示して、取得証明がすぐできるようにしておきましょう。


長期優良住宅のデメリットについて

長期優良住宅として認定を受ける際、以下のデメリットには注意しなければなりません。


  • 着工まで時間がかかる

  • 建築コストがかかる

  • 申請費用がかかる

  • 定期点検が必要になる


ここからは4つのデメリットについて詳しく解説します。


着工まで時間がかかる

長期優良住宅を建築する場合、通常の住宅よりも1週間~1か月程度着工までの時間が必要になる場合があります。


長期優良住宅の建築には所管行政庁による長期優良住宅の認定が必要となり、審査が終わるまでは建築に着工できません。


なお、長期優良住宅の建築経験が豊富な住宅会社の場合は、申請や審査にかかる時間が短くなる傾向にあります。





建築コストがかかる

長期優良住宅として認定を受けるためには、耐震性や居住の快適性などの9項目を満たす必要があります。そのため、通常よりも建築コストは高くなるでしょう。


長期的に見ればお得になる長期優良住宅ですが、初期費用の負担が増える点には注意が必要です。


申請費用がかかる

長期優良住宅の申請には5万円前後が必要です。そのほか、住宅建設会社や工務店に申請書類を作成してもらう場合は、20万円以上の手数料が発生します。


税額控除や保険料の減額はあるものの、年収によってはあまり効果が出ないのも事実です。長期優良住宅は、建物の資産価値向上のために取り入れるべきものと考えておきましょう。


定期点検が必要になる

長期優良住宅は建築して終わりではなく、その後の定期点検が必要です。認定基準の一つである「維持保全」の観点から点検を行い、必要に応じて修繕をします。


維持保全を怠ると、長期優良住宅としての認定が取り消される場合がありますので注意しましょう。


長期優良住宅の申請方法

長期優良住宅の申請方法および流れは、以下のようになっています。


  1. 建築・維持保全に関する計画の作成

  2. 登録住宅性能評価機関による技術的審査

  3. 所管行政庁による審査

  4. 建築後、定期的な維持保全や記録の作成および保存


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