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低炭素住宅とは?メリット・デメリットや補助金、申請の流れまで徹底解説 | 株式会社JNS建築事務所

更新日:2022年6月29日

二酸化炭素の排出量に配慮して建てられた「低炭素住宅」には、各種減税や住宅ローンの優遇措置が受けられるなどのメリットがあります。一方、低炭素住宅は「費用が高くなる」などのデメリットが心配されがちです。


しかし補助金を受けられるケースもあるため、住宅取得時のコスト軽減に役立つでしょう。当記事では、低炭素住宅のメリット・デメリットだけでなく、補助金や申請の流れまで徹底解説します。


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低炭素住宅とは?

低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量を抑える対策が講じられた「環境に優しい住宅」と認められた住宅のことです。


「都市部の低炭素住宅の促進に関する法律(エコまち法 / 2019年9月公布)」に基づいて始まった「低炭素建築物認定制度」の規定住宅でもあります。地球温暖化の原因の1つである二酸化炭素の排出を抑え、持続可能な社会の実現を目指しているのです。


低炭素建築物認定制度の概要

低炭素建築物認定制度は、「エコまち法」に基づいて制定された制度の1つです。当制度の背景には、東日本大震災をきっかけとしたエネルギー受給の変化があります。


エネルギー供給の変化に伴い、エネルギー利用・地球温暖化問題への注目度がアップ。その結果、環境に優しい低炭素住宅の普及や持続可能な社会の実現が重要視されているのです。所管行政庁から「低炭素住宅である」と認められれば、さまざまな優遇措置を受けられます。





長期優良住宅・zeh住宅との違い

低炭素住宅・長期優良住宅・zeh住宅は混同されがちな言葉ですが、内容や満たすべき評価基準がそれぞれ異なります。



上記のように、低炭素住宅は満たすべき評価基準が少なく、長期優良住宅などと比べて認定を受けやすいという特徴があります。


低炭素住宅の認定基準

低炭素住宅が満たすべき評価基準は以下のとおりです。


  1. 省エネルギー基準以上の省エネ性を備えていること、かつ低炭素化促進のための対策が講じられていること

  2. 都市の低炭素化促進のための基本方針に適合していること

  3. 資金計画が適切であること


上記①の認定基準は、大きく「定量的評価項目」「選択的項目」の2つに分かれています。詳細は以下のとおりです。



低炭素住宅のメリット〜固定資産税がお得って本当?〜

低炭素住宅には、税金に関する優遇措置・補助金を受けられるケースがあるなどのメリットがあります。また光熱費の削減も期待できるので、住宅にかかる維持費を抑えられます。





税金に関する優遇措置を受けられる

低炭素住宅のメリットは、住宅ローンや登録免許税などにおける優遇措置を受けられることです。


  • 住宅ローン減税:10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入する場合、控除対象借入限度額が一般住宅よりも拡大される。

  • 投資型減税:現金で購入する場合や住宅ローン期間が10年未満の場合に利用できる優遇措置。

  • 登録免許税:住宅取得時に必要な「所有権の保存登記」「移転登記」を行う際に発生する税金が減税される。


※固定資産税においては、2022年5月時点で特別な優遇措置はありません


住宅ローンを低金利で組むことができる

低炭素住宅は「フラット35S(金利Aプラン)」に適合されるため、住宅ローンを低金利で組むことができます。「フラット35S」は借入金利を一定期間軽減する制度で、Aプランは当初10年間の金利が引き下げられます。





容積率が緩和される

低炭素住宅は、住宅周辺に太陽光発電設備や蓄電池などを設置する必要があります。各設備のために建築物が狭くなるという不利益がないよう、通常の建築物の床面積を超える部分の容積率が緩和されます(延べ床面積の1/20が限度)。

※容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと


光熱費を抑えられる

低炭素住宅には、月々の光熱費を抑えられるというメリットもあります。低炭素住宅は断熱性に優れているため、冷暖房・ガス代などを抑えられます。

さらに、低炭素住宅の認定基準における選択的項目で「節水対策」を選べば、水道代の節約も可能です。室内温度が一定に保たれやすいことから、ヒートショック予防も期待できます。


補助金を受けられるケースがある

認定低炭素住宅は、補助金を受けられるケースがあります。2022年に実施予定の補助金制度は以下のとおりです。

  • 地域型住宅グリーン化事業:補助金額は1戸あたり110万円。ただし、この制度を利用するためには認定を受けた特定の建設会社・工務店の利用が必須。

  • こどもみらい住宅支援事業:子育て・若者世帯が対象(18歳未満のお子さんを育てる世帯)。住宅区分によって補助金額が異なり、低炭素住宅の場合は1戸あたり80万円。

※併用不可

※補助金額等は情報が更新される可能性があるため、利用の際は最新情報をご確認ください


低炭素住宅のデメリット〜太陽光パネル必須で高コスト?〜

低炭素住宅はメリットが豊富な一方、以下のようなデメリットもあります。


  • 設備コストがかかる

  • 設計や認定に時間がかかる

  • 設備のメンテナンスが必要

  • 市街化区域でないと認定申請ができない


低炭素住宅は、太陽光発電(必須)などの省エネ性を高める設備を導入するため、コストが高くなりがちです。また、設計や低炭素住宅認定のための時間がかかったり、各種設備の定期的なメンテナンスが必要だったります。





ただし、設備にかかるコストに関しては、補助金や光熱費削減によってプラスマイナス0を目指せます。このことから、長期的に考えればコスパのよい住宅と言えるでしょう。


一方、注意すべきは建設地が市街化区域か否かです。低炭素住宅は都市部での促進を目的とされているため、市街化区域以外だと認定申請ができません。

※市街化区域:すでに市街化を形成している・概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域


低炭素住宅認定の申請の流れ

評価機関へ認定基準の適合審査を依頼することで、適合証を交付してもらえます(技術的審査)。適合審査・低炭素住宅認定の申請の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 依頼者が依頼図書(計画書や設計内容説明書など)を作成します。都度、評価機関へ相談可能です。

  2. 依頼図書が完成したら、評価機関へ「技術的審査依頼」を行います。依頼が受理されると、日程調整後に審査が実施されます。

  3. 審査で適合(認定)されると、評価機関から「適合証」が交付されます。

(審査において、質疑応答がある場合もあり)

4. 適合証交付後に「認定申請」を行います。認定申請書に適合証を添付し、所管行政庁に提出すれば完了です。


低炭素住宅認定の申請時期は、建築物の着工前です。適合審査を依頼する場合は、事前にスケジュールを確認しておきましょう。


弊社では、図面チェックや書類作成などの各種申請サポートを行っています。お困りの際は気軽にご相談ください。




提出書類

低炭素住宅認定に必要な技術審査の提出書類は以下のとおりです。


低炭素住宅認定の申請費用

低炭素住宅認定の申請費用は、各評価機関によって若干異なります。以下は、東日本の評価機関である「株式会社 東日本住宅評価センター」の費用一例です(新築の場合)。

※n:申請する住戸数

※m:全住戸数


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